インサートナットの引き抜き強度を高める要因や正しい設計のポイント、おすすめのメーカーを紹介します。
樹脂製品の製造において、インサートナットを使用した接合部には高い耐久性が求められます。特に量産品を製造する際は、製品の使用条件や環境に応じた適切な強度が不可欠であり、強度が不足すると重大な不具合につながる恐れがあります。
そのため、樹脂製品やインサートナットに十分な強度があるかを確認するため、有効な手段となるのが引き抜き強度試験です。事前に強度テストを実施し、引き抜き荷重などのデータを基に量産の可否を判断することで、量産時の品質トラブルを未然に防ぐことができます。
インサートナットの引き抜き強度は、採用する圧入方法によって大きく変わります。用途や樹脂の種類に合わせて、適切な工法を選択することが重要です。
代表的な工法である「熱圧入」は、熱で樹脂を溶かしながらインサートナットを挿入する方法です。温度設定や下穴の調整が必要ですが、引き抜き強度が非常に強くなるというメリットがあります。
一方で、小型プレスやハンマーなどで直接打ち込む「冷間圧入」という手法もあります。こちらは樹脂バリが出にくいという特徴があるものの、熱圧入と比較すると引き抜き強度は弱くなる傾向にあります。そのため、高い強度が求められる箇所には推奨されていません。
各工法にはそれぞれメリットとデメリットが存在するため、製品仕様に応じた最適な選定が求められます。
引き抜き強度が不足してインサートナットが抜けてしまう場合、インサートナットそのものに原因があると考えられがちです。しかし実際には、設計や使用環境に不具合の原因が潜んでいることが少なくありません。
インサートナットの引き抜き強度は、母材となる樹脂の材質や厚み、使用するボルトの径に大きく依存します。さらに、インサートナットを入れる長さや位置なども強度を左右する重要な要素です。
これらの要素を適切に設計していれば、仮に過剰なトルクがかかったとしても、インサートナットが抜ける前にボルト側が破損するようになります。設計段階から以下のポイントに注意しましょう。
このように、正しい設計を行うことが引き抜き強度を確保するための第一歩となります。
ここからは、引き抜き強度に優れたインサートナットを提供し、設計のサポートにも対応しているおすすめのメーカーをご紹介します。
マイクロファスナー株式会社は、プラスチック(樹脂)用インサートナットのメーカーとして、自動車部品や通信機器など幅広い業界に製品を供給しています。
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂など、必要とされる強度に応じた各種形状および圧入方法に対応しているのが特徴です。また、製品の提供だけでなく設計支援を含めた一貫対応が可能であり、量産時のトラブルを未然に防ぐサポート体制が整っています。
東海金属工業株式会社は、「インサートナット」「ジョイスパンド」「輸送機器部品製造」を軸とする金属加工メーカーです。
成形製品の締結部品として用いられるインサートナットの規格化を進めるとともに、顧客ニーズに合わせた設計開発を行っています。また、販売元である東海物産株式会社と連携し、引き抜き強度の社内試験データを提供するなど、安心して製品を選定できる環境を整えています。
インサートナットの引き抜き強度を確保するには、正しい設計と適切な圧入方法の選択が不可欠です。設計段階から条件を最適化することで、破損のリスクを低減し、より安定した締結を実現できます。抜けや強度不足にお悩みの場合は、実績のある専門メーカーへ相談してみましょう。


