インサートナットの挿入方法である拡張方式、圧入方式、熱圧入方式といった方式の中で、ここでは熱圧入方式についての解説や、熱圧入方式に対応した製品および取り扱い企業を紹介します。特徴やメリットを踏まえて、ぜひ参考にしてみてください。
熱圧入方式とは、素材にインサートナットを埋め込む際にハンダごてなどの熱源を使用する手法です。素材の下穴にインサートナットをセットし、熱を加えることでプラスチックが柔らかくなり、ナットを所定位置まで容易に圧入できます。
熱による素材の軟化を利用するため通常の圧入方式と比べて作業がスムーズであり、プラスチックが冷却・固化する過程で強度が高まるのも特徴です。ボス形状の制約を受けにくいという強みもあり、ボス部分が割れるリスクも低減できます。
以下は、熱圧入方式で使用できるインサートナット製品と、取り扱い企業です。
2003年の創業以来、日本国内で製品の企画設計から販売までを一貫して行っている企業です。幅広い業界分野に対してパソコンや携帯電話、自動車部品製造に使用する樹脂用インサートナットを提供しており、技術力と品質管理体制に定評があります。
熱圧入、超音波圧入、高周波圧入に対応したインサートナットで、高い引っ張り強度、トルク強度が特徴です。インサート挿入部はガイド付きであり、圧入時の仮置きの際に安定して垂直に入り易くなっています。
対応サイズ | M2、M2.5、M3、M4、M5、M6 |
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対応素材 | 黄銅(C3604)、アルミ合金(受注生産品)、ステンレス鋼(一部標準在庫品) |
主な圧入方法 | 熱圧入、超音波圧入、高周波圧入 |
1961年の創業以来、家電製品や自動車部品製造に使用される高品質なインサートナットを提供する企業です。独自の加工技術や充実した生産体制を強みに、様々な製品ニーズに柔軟に対応しています。
熱圧入方式と圧入方式に対応した保持力・コストのバランスに優れるフランジ付きのインサートナットです。サイズもM1.4からM8.0まで幅広く対応しているため、多くの製品製造に活用できます。
対応サイズ | M2、M2.5、M3、M4、M5、M6、M8 |
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対応素材 | 黄銅(鉄・ステンレス) |
主な圧入方法 | 圧入方式・熱圧入方式 |
廣杉計器は、主に電子機器や機構部品の製造・販売を手掛けており、11万点を超える膨大な製品ラインナップや迅速な出荷体制が強みです。また、小ロットの発注にも対応しており、最小ロット50個での生産が可能なため、在庫リスクの削減にも貢献できるでしょう。
プラスチックのネジ孔の強化や修理等に使用するインサートナットです。成型後使用の拡張方式となっており、ナットの先端が外側に拡がることで強固に食いつくという特徴があります。
対応サイズ | M2.6、M3、M4、M5 |
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対応素材 | 黄銅(C3604BD) カドミウム含有量75ppm未満 |
主な圧入方法 | 圧入方式・熱圧入方式 |
ベトナム・タイ・アメリカ・中国といった海外の企業に向けて、グローバルにビジネスを展開する企業です。幅広い分野で培った多彩な技術を活かし、日本標準の品質管理とグローバルな製品調達のネットワークによって様々な製品ニーズに対応しています。
テーパー形状のインサートナットで、相手材内径もテーパーにすることにより広範囲に熱を伝えられるため熱伝導率が良いのが特徴です。これにより、確実にセットできる点や強力な固定力が強みとなっています。
対応サイズ | (UDⅡ)M2.6、M3、M4、M5、M6、M8 (UdⅣ)M2.0、M2.6、M3、M4、M5、M6、M8、M10 |
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対応素材 | 黄銅C3604低カドミウム材 |
主な圧入方法 | 熱圧入方式 |
当サイト「NUT MAGAZINE」では、コストを抑えてくれるインサートナットメーカーを、サイズ×ロット数別に3社厳選して紹介しています。インサートナットメーカー選びに困っている方はぜひ参考にしてみてください。
主流のNC施盤に加え、安定した精度と低コストを実現するカム式施盤を保有。月1,000~数十万個程度に対応しています。また、為替の変動に合わせて台湾・タイ工場に製造ラインを変更し、更なるコストダウンを提案します。
マツダでは、金型製造から自社一貫で対応しています。量産ラインの立ち上げスピードが早く、大量生産でもリードタイムを大幅に削減可能。また、簡易型の使用により、ヘッダー加工品で一般的に懸念点になりがちなイニシャルコストの削減を実現しています。
プレス加工を唯一採用しているタンゲ製作所(※)。プレス、タップ、ローレットの複数工程の同時加工を可能としています。さらに、24時間無人生産ラインを有すことで、人件費を削減し低コストでの大量生産を実現しています。
※Google検索で「インサートナットメーカー」と検索した際に表示されるメーカーの中で唯一。編集チーム調べ(2024年10月時点)。