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アウトサートナット(成型後インサート)とは?

樹脂製品の製造において、部品の締結強度は非常に重要な課題です。その中でよく耳にする「アウトサートナット」。本記事では、アウトサートナットの基礎知識から、製造現場でのメリット、さらには樹脂タイプ別の適切な圧入方法までを分かりやすく解説していきます。

アウトサートナット(成型後インサート)とは

成型済みの樹脂に埋め込む手法

アウトサートナットとは、その名の通り樹脂の成型が完了した後に行うインサート作業のことを指します。一般的には「成型後インサート」とも呼ばれており、すでに形作られたプラスチックなどの樹脂部品に対して、後工程で金属製のナットを埋め込む手法です。あらかじめ成型された樹脂に下穴を設けておき、そこへナットを圧入することで固定します。この手法は、製造ラインの流れを大きく変えることなく導入できるため、多くの工業製品や部品製造の現場で採用されている信頼性の高い締結技術といえるでしょう。

インサートナット(成型時インサート)との違い

よく比較される「インサートナット」との最大の違いは、ナットを埋め込むタイミングにあります。インサートナットは「成型時インサート」と呼ばれ、金型の中にナットをセットしてから樹脂を流し込み、樹脂の固化と同時に一体化させる方法です。これにより非常に強力な固着力が得られる一方で、成型サイクルの中にナットをセットする時間が含まれるため、全体の製造時間が長くなる傾向があります。対してアウトサートナットは成型後の別工程で行うため、成型サイクルとは切り離して考えられる点が大きな相違点です。

アウトサートナットを採用するメリット

成型後に位置を決められる「設計の自由度」

アウトサートナットを採用する大きな利点の一つは、設計における自由度が格段に向上することです。成型と同時に埋め込む方式では、金型設計の段階でナットの位置を完全に固定しなければならず、後からの変更は容易ではありません。しかし、成型後に埋め込むアウトサート方式であれば、成型された樹脂部品に対して後から穴加工を行うことも可能であり、また埋め込み位置の微調整もしやすくなります。製品の開発段階で仕様変更が発生しやすい場合や、多品種少量の生産を行う際にも、柔軟に対応できる点が設計者にとって大きな助けとなるはずです。

製造プロセスにおける「取り扱いやすさ」

製造現場の視点から見た場合、取り扱いが容易であることも見逃せないメリットです。金型内に金属部品をセットするインサート成型では、金型の破損リスクや、セットミスによる不良品の発生に常に気を配る必要があります。一方でアウトサートナットは、射出成型などのメイン工程が終わった後に別の工程として作業を行うため、成型機を止めることなくスムーズに生産を続けることが可能です。また、自動機を用いた圧入作業もしやすく、生産効率の向上や品質管理の安定化にも寄与するため、現場の負担軽減につながるでしょう。

【樹脂別】アウトサートナットの埋め込み方法

熱可塑性樹脂の場合(熱圧入・超音波圧入)

使用するプラスチックが加熱によって柔らかくなる「熱可塑性樹脂」である場合、主に熱を利用した圧入方法が選ばれます。代表的なのが「熱圧入」と「超音波圧入」です。熱圧入はヒーター等で加熱したナットを押し込み、周囲の樹脂を溶かしながら埋め込む方法で、冷却固化することで強固に固定されます。また超音波圧入は、超音波振動による摩擦熱を利用して樹脂を溶着させる技術です。どちらも樹脂が溶けてナットの凹凸に入り込むため、高い抜け強度と回転トルクへの耐性を得ることができるのが特徴です。

熱硬化性樹脂の場合(冷間圧入・拡張式)

一方で、一度硬化すると加熱しても再び溶けることのない「熱硬化性樹脂」を使用する場合は、熱による溶着ができません。そのため、物理的な力で固定する「冷間圧入」や「拡張式」といった方法が採用されます。冷間圧入は常温のままプレス機などで圧力をかけて押し込むシンプルな方法ですが、樹脂へのストレスを考慮する必要があります。拡張式は、下穴にナットを入れた後に内部から拡張させることで、爪を樹脂に食い込ませて固定する仕組みです。これらは熱を使わないため、設備が大掛かりにならず、比較的導入しやすいという側面を持っています。

まとめ

今回はアウトサートナットの特徴やインサートナットとの違い、そして樹脂の種類に応じた埋め込み方法について解説しました。成型後に埋め込むアウトサートナットは、設計の自由度を高め、製造現場での取り扱いもスムーズにする有用な選択肢です。使用する樹脂が熱可塑性か熱硬化性かによって、最適な圧入方法も変わってきます。製品の仕様や生産環境に合わせて適切な方法を選定し、より高品質な製品づくりにお役立てください。

既存品では解決できない
設計・強度・納期課題に
インサートナットメーカー3選
試作では入るのに量産で割れる、強度が足りない、サイクルが安定せず納期が崩れる……。 既存のインサートナットや現行メーカーでは解決しにくい設計・強度・納期の課題は、ナットそのものではなく、工程や構造、再現性に原因があることが少なくありません。そこでこうした根本課題を技術面から解決できるインサートナットメーカー3社を、役割ごとに整理して紹介します。
設計で不良を防ぎ量産条件を
数値化して立上げを短縮したい
生産技術・製造技術部門向け
マイクロファスナー
キャッチサート
引用元:マイクロファスナー公式HP
(https://micro-f.co.jp/product01_07.html)
特徴
  • 設計~量産立上げまで一貫対応し、柱形状・下穴・ナットのかかり方を最適化。指定樹脂で試作して強度(引抜・回転)と外観を事前確認し、温度・時間・押込・下穴を数値化して量産へ展開。手戻りを抑え、立上げを短縮。
  • 圧入装置と治具を自社設計し、温度・時間・押込速度を管理。属人差・外観ムラ・緩みを抑え、同じ入り方を再現しやすくする。国内企画×海外供給(日本責任)体制で、確定条件を複数工場に横展開しやすく、継続供給も可。

公式HPで設計〜量産
体制を確認する

電話で問い合わせる

構造が難しい部位の強度を
試験で確かめたい
機構設計・樹脂設計・CAE部門向け
東海金属工業
東海金属工業
引用元:東海金属工業公式HP
(https://www.tokai-mmc.co.jp/insert/insertnut.html)
特徴
  • 構造課題に合わせて適した型式(高保持/薄肉対応/PC向け など)を選定できる。これにより、抜け・回り・割れのリスクを設計段階から抑えやすくなる。
  • 引抜・回転トルクの社内試験に対応しており、必要強度と条件(例:下穴・板厚・圧入条件)を量産前に決められる。その結果、立上げ直前の手戻りを減らし、設計確度を高めやすくなる。

公式HPで強度試験を
確認する

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型番を早く決め、切替作業を
減らして生産を安定させたい
購買・調達部門向け
タンゲ製作所
タンゲ製作所
引用元:タンゲ製作所公式HP
(https://www.tange-ss.jp/detail.html)
特徴
  • PFはM1.2〜M3、HGはM3〜M6をそろえ、HGはRoHS対応。用途や規制条件に合わせて型番を短時間で固定しやすく、設計変更が出ても選定が滞りにくくなる。
  • PFはプレス工程内でギザ加工・穴開け・タップまで完結。段取りが減り、1サイクル時間が安定し、台数を積み上げやすくなる。その結果、納期計画の確度が上がり、発注側と生産側のスケジュールを合わせやすくなる。

公式HPで型番詳細を
確認する

電話で問い合わせる